IATAによる低水準の純利益予測が示す、イラン紛争の影響
航空会社の収益は3年連続で1兆ドルを再び超えると推定されているものの、IATAの修正予測では2026年の純利益は230億ドルにとどまる見通しであり、昨年12月に予測した410億ドルから大幅な減少となっています。
6月初旬の年次総会において、IATAは半期報告書「世界の航空輸送見通し」を発表しました。この中では2026年の収益が9.4%増加すると予測しており、業界にとって2年連続の記録更新の年となることを示していますが、その増加幅は地域によって差異があります。
北米の航空会社は2026年に94億ドルの純利益を達成すると予測されており、従来予測の113億ドルから下方修正されました。欧州の航空会社は北米の航空会社をわずかに上回る見込みで、2026年の純利益は96億ドルと予測されていますが、12月予測の140億ドルからは減少しています。一方、中東の航空会社は43億ドルの純損失を計上する見通しです。
IATAは、収益性が半減したのは紛争に関連した中東の混乱と高い燃料価格の直接的な結果であると指摘しています。ただし、地域ごとの状況には違いがあり、需要の低迷と運航の混乱により赤字に転落すると見込まれているのは中東の航空会社のみです。その他のすべての地域は、従来の予測よりも水準は低下するものの、黒字を確保する見通しとなっています。
IATAの推計では、2026年末までに50億人以上の旅客が航空機を利用することになります。2025年の総数と比較して2026年は2.4%の成長を予測しており、旅客数は51億人に達する見込みです。
航空機の出発便数は2026年に3,870万便に達すると予測されており、前年比1%の減少を示しています。一方、ロードファクターは84%に達する見通しで、2025年を0.5ポイント上回る水準です。
有償旅客キロ(RPK)で測定されるトラフィック実績は、2026年に2.1%の成長が見込まれていますが、IATAが2025年12月に予測した4.9%からは低下しています。アフリカを拠点とする航空会社は、RPKが前年比10%増加し、2026年の世界の旅客成長を牽引すると予想されています。一方、中東の航空会社はRPKが前年比11.4%減少すると予測されています。それでも、2026年の世界全体で見ると、この指標において3年連続の記録更新の年となることを示しています。
IATAは、トラフィック成長の総合数値の背後には顕著な地域間の乖離が隠されていると説明しており、これは地政学的ショックへの影響度、マクロ経済状況、および輸送力の代替能力の違いを反映していると述べています。




