台湾の航空戦力近代化は多くの困難に直面
台湾の戦闘機更新計画は、重大な問題に直面しています。長年にわたり、第5世代機の導入を模索してきましたが、これらの取り組みはこれまで成功していません。95%を国産部品で構成することを目的とした国産の次世代防衛戦闘機(ADF)開発計画は、あまりに野心的すぎたことが判明しました。一方、F-35の取得は、中国によるスパイ活動に対する米国の懸念から、依然としてほぼ実現不可能な状況です。
そんな中でも、既存の第4世代戦闘機であるF-16については、高性能なAPG-83アクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーを搭載したヴァイパー仕様への改修が実現しました。また、F-CK-1 「経国」戦闘機は2030年代半ばまでに旧式化すると予想されていますが、電子妨害装置や対艦ミサイルを含む、新しい武器システムの試験を継続しています。
他にも、台湾の空軍近代化計画には、固定翼の有人空中早期警戒管制(AEW&C)能力の刷新と強化を目指す、E-2D 5機の取得提案も含まれています。台湾は現在、2005年と2012年に購入した5機のE-2Kを運用しています。当初の調達計画は、米国議会による国防安全保障協力局(DSCA)の承認を受け、2020年に発表されました。しかし、2025年2月にも台湾当局から新たな要請があったにもかかわらず、現在まで売却は実現していません。中国との潜在的な武力衝突におけるE-2Dの生存性に対する懸念が、この計画にとってのリスクになっています。
また、長時間の空中戦において、戦闘機やその他の航空機を機能させるための空中給油機も不可欠です。2023年にその調達にも関心を示しましたが、その後、適切な選択肢を見つけられていません。このため、今では近代化の焦点は非対称戦能力へ移っています。
国産の中高度長時間滞空(MALE)UAVである「騰雲」の開発は進展しており、量産開始前の最終試験飛行が行われています。台湾はまた、重量と飛行可能時間による分類である、グループ1、2、3にわたる様々な監視・攻撃能力を持つUAVを導入するため、追加の資金を割り当てました。




