旅客機の貨物機改修（P2F）の特需は終焉か？

100機目のボーイング767-300BCFの改修完了と、ボーイングのロンドン・ガトウィックMRO工場のブリティッシュ・エアウェイズへの売却が最近のニュースで報じられました。この工場は737の旅客機から貨物機への改修（P2F）を担うことが予定されていましたが、これはP2F改修のピークが過ぎたことを示唆しています。

パンデミック前の2018年には、P2F改修が100機以上と最多になり、そのうち半数（49機）が757と767でした。2019年初頭の737MAXの運航停止により、航空各社は保有する737MAXの運航再開を待つ間、改修ベースでもある従来機を運航用に維持する必要があったため、P2F改修は減少しました。

そして、パンデミックがP2Fにとって完璧な状況を生み出したのです。旅客需要の大幅な低下により多くの機材が余剰となり、改修の余地が生まれました。そこに、ステイホームによるeコマースの増加と、大型機の運航減少（および貨物スペースの減少）が重なり、P2F改修の契約が急増します。

この傾向は2023年まで続き、改修機数は200機に達し、パンデミック前の最高記録のほぼ2倍となりました。その3分の1を737が占め、15%がエアバスA321でした。しかし、サプライチェーンの問題などによる新造機の納入遅延と旅客需要の回復により、航空各社は事業継続のため従来機を維持せざるを得なくなっています。

その結果、2024年の改修機数は120機を下回ると予想されています。737は引き続き改修全体の3分の1を占め、A321は10%になる見込みです。また、A330が改修ベース機として成熟し、767のような同サイズ機材は供給が不足していることを受け、A330の改修が増加しており、貨物航空会社は代替機の改修を模索しています。

このデータはAviation Week NetworkのFleet Discoveryデータベースを元に作成されました。