Baykar、モロッコの新たな無人機工場でアフリカの新規需要取り込みへ

1月に、トルコのUAS(無人航空システム)メーカーであるBaykarがモロッコに新工場を設立する準備を進めているというニュースが北アフリカから伝わりました。これはウクライナ、アゼルバイジャン、モンゴルでの同様のプロジェクトに続くもので、モロッコが地域の無人機大国になるという構想を支援すると同時に、Baykarがビジネスチャンスに恵まれた地域と見込むアフリカへの更なる販売の足がかりとなります。
北アフリカおよびサハラ以南のアフリカ各国軍が限られた予算で老朽化した機体の近代化を進める中、Baykarの試みは成功する可能性があります。Aviation Week Intelligence NetworkのFleet Discovery Militarによると、現在18のアフリカ諸国がUASを運用しています。リストに載っている北アフリカの5カ国(アルジェリア、エジプト、モロッコ、チュニジア、リビア)は全て、保有機数でアフリカの上位10カ国に入っており、アルジェリアが69機で首位、エジプトとモロッコが2位と3位に続いています。アフリカの角に位置する2カ国(ジブチとエチオピア)は小規模なフリートを保有しており、残りの11カ国のUAS運用国はサハラ以南のアフリカに位置しています。
Baykarの機体はアフリカ各国軍の間で人気があり、主力機のTB2は2035年までに地域における販売数で他機種を上回ると予想されています。大陸全体でのTB2の保有数は現在の59機から2035年までに104機に増加し、現在首位の翼竜1/2の合計保有数(92機)を上回る見込みです。BaykarのAkinciも5カ国(マリ、リビア、モロッコ、ブルキナファソ、エチオピア)で23機が就役しており、これもBaykarの総数に加わります。また、近年のアルジェリアの無人機増強に対応してモロッコも追随しており、Baykarはこれらの注文に応えることを狙っています。
さらに、公表はされていないものの、まだUASを運用していないアフリカの36カ国の多くでも新たなUAS機体の取得計画が進行している可能性が高いと考えられています。
過去25年間で、UASは世界中の計画立案者や政策立案者が作戦機部隊を構築し購入する方法を革新してきました。有人戦闘機と比較して比較的低コストで訓練の障壁も低いことから、UAS技術は予算内で近代化を目指す二次市場の運用者にとって不可欠なものとなっています。Baykarは、そのような運用者に対して、価格帯に見合った新しい品質レベルを提供しています。また、アフリカの55カ国のうち36カ国は、まだMALE/HALE(中/高高度長距離滞空型)UASを保有していません。Baykarのモロッコ新工場がギャンブルだったとしても、その勝率は非常に魅力的に見えます。