アメリカの極超音速プログラム、兵器化に向けて最初の壁が立ちはだかる | U.S. Hypersonic Programs Hit First Bumps On Path To Weaponization
2017年3月、当時の空軍長官・Lisa Disbrow氏のサインにより空中発射型即応兵器(Air-Launched Rapid Response Weapon:ARRW)の開発が承認され、アメリカ軍を極超音速飛行技術の兵器化へと導いた。
この名称に含まれるキーワードは「兵器」だ。
これまでの70年間、国防総省は極超音速機の試験を行ってきたが、それらはいずれもXプレーンまたは技術実証機だった。しかし、今回は違う。ロシアと中国が2014年から2016年にかけて行った一連の画期的な飛行試験により、アメリカに対する明確なリードを確立したことを受けて、空軍も新たなタイプの極超音速機動兵器の配備を決断した。
2020年には、国防総省の極超音速攻撃兵器プログラムの年間予算は平均約20億ドルに達し、その種類も空中・地上・海上発射型と幅広く、2種類の異なる推進力を用いたミサイルとなっている。
とはいえ、全てが厳密に計画通りに進行したわけではない。
4月には、空軍は2つ目の空中発射型ミサイルプログラム・極超音速通常攻撃兵器(Hypersonic Conventional Strike Weapon:HCSW)の開発を中止した。一方、DARPAは戦術ブーストグライド(Tactical Boost Glide:TBG)の実証機を2019年に飛行させる予定だったが、まだ実現していない。TBGとARRWは共通の設計を用いているため、ARRWの早期作戦能力(EOC)獲得も最低1年は遅れ、2022年9月頃になるとみられる。これらの遅れはARRWプログラムのコストを増加させることになり、空軍はHCSWを開発中止することでその一部を相殺した。
これらの遅れは、新たな戦略の結果ともいえる。当初の計画では、試験飛行の段階で運用可能な試作機を早急に製造し、余った試作機を用いてEOCを宣言することに重点を置いていた。2019年から適用された新戦略はARRWのような空中発射型ミサイルの試験飛行プログラムのスケジュール長期化を招くが、その代わり設計変更やサプライチェーンに関する判断は減り、結果的に生産速度は早まることになる。
国防総省の近代化研究開発担当ディレクター・Mark Lewis氏は「これらの変化の一部は、我々自身が『これら両方のプログラムを実際に生産されるシステムに採り入れたい』と主張したことに起因するといえる」「よって、投資収益率を最大化するために、これらのDARPAプログラムでなにをするべきかを考えてきた」と話した。
具体的には、DARPAのTBGプログラムは2つの異なるタイプのARRWに対するリスク削減プログラムである。最初に運用が開始される見込みのARRWはロッキードマーチン社のAGM-183Aだ。一方でレイセオン社もARRWの要求を満たす異なる設計で開発を進めており、同社によればこれはより高度なものになるとしている。
同様に、DARPAはスクラムジェット推進の巡航ミサイル開発についてもロッキードマーチン社とレイセオン社を選定した。この2種類の極超音速吸気型兵器コンセプト(Hypersonic Air-Breathing Weapon Concept:HAWC)も2019年には飛行試験に入る予定だったが、予定より遅れている。直近では、ロッキード版のHAWCが搭載試験中に破壊され、現在調査が進められている。
「全ての極超音速プログラムに関して我々が直面している問題は、いかにしてDARPAのプログラムを最大限に活用し、そこから必要な情報を得るのかということだ」とLewis氏は問いかける。「我々の目的は、各社の開発計画の根本を変えることにもつながるような、極超音速技術を広く届けることだ 。探査を目的とした探査プログラムを行っているのなら、私がそこから得るものは何もない。ただ、明確な目標と要件を持つ以後のプログラムに対してデータを提供する、今回のようなプログラムはわけが違う」と語る。
さらに同氏はこう付け加える。「つまり我々はプログラム全体を見て、もしプログラムXが以後に続くプログラムYにつながるものだとすれば、プログラムXから得られる全てのデータが、プログラムYに対してどの程度の価値を持つのか?それをどう確認するのか?逆に、価値を持たないのであれば投資を再考する必要がある。これがポートフォリオ全体に対して適用している考え方だ」
ARRWについていえば、この哲学の変化の影響は劇的なものになった。政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)が2020年6月に出した報告によれば、2019年3月には一連の「プログラムの状況の変化」が39%のコスト上昇をもたらし、11.6億ドルとなった。GAOは詳細を説明しなかったが、この上昇率から計算すると当初の予算は8.365億ドルだったことを示唆している。
2022年度末にEOCを達成するという計画には、もはやトラブルが発生しても解決するための時間的猶予がない。空軍は当初、ロッキード社に対してEOCを2021年8月、つまり契約締結の36ヶ月後に達成するよう求めていた。しかしスケジュールの遅延は、4回予定されているロッキード版のARRW飛行試験の1回目を2021年10月に後倒しすることになり、4回目は2022年9月、つまり2022年度の最終月に予定されている。
ARRWにはスケジュールの圧力に加えて、野心的な技術が使用されていることに伴う困難もある。
たしかに、国防総省が管理するそれぞれの極超音速兵器はいずれも課題に直面している。共通極超音速滑空体(Common Hypersonic Glide Body:C-HGB)は、海軍の通常即応攻撃(Conventional Prompt Strike:CPS)プログラムに基づく潜水艦発射型と、陸軍の長距離極超音速兵器(Long-Range Hypersonic Weapon:LRHW)プログラムに基づく移動式発射器向けに、共通の機体を開発することを目指している。また、空軍が計画している、DARPAのHAWCプログラムに続く計画では、スクラムジェット推進を実験段階から運用段階に移行させようと試みている。
しかし、C-HGBやHAWCプログラムは、成功した飛行試験を元に開発が進められている。空軍はスクラムジェット推進のボーイングX-51Aの飛行試験を2013年に成功させ、210秒の飛行時間と最高速度マッハ5.1を記録した。C-HGBは陸軍の先進極超音速兵器(Advanced Hypersonic Weapon:AHW)から派生したもので、これ自体はサンディア国立研究所が開発した有翼再突入機(Sandia Winged Energetic Reentry Vehicle Experiment:SWERVE)をベースにしている。
SWERVEは1979~1983年にかけて3回の飛行試験を成功させた。陸軍は2006年にプロジェクトを再始動し、2011年にはAHWの試験に成功、2014年の試験はブースターの異常により失敗した。海軍はAHWを海上発射式に改修し、2017年には試験を成功させている。それから3年、この3月にはC-HGBのブロック0が試験飛行に成功し、陸軍と海軍はオールアップ弾(最低限の作業で発射可能になる、コンポーネントが一体化されたミサイル)であるブロック1の開発に移行できるようになった。
対照的に、TBGとARRWには土台になる飛行試験の記録がない。これらの空中発射型ミサイルは、C-HGBのロケットブースターにより加速されるグライダーという構成と共通する部分もあるものの、決定的な違いが存在する。C-HGBは飛行中に軸を中心に回転することで放熱する、軸対称の設計だ。TBGやARRWはより先進的なウェッジ形状のグライダーである。C-HGBの揚力比は2.4~2.6だが、TBGやARRWは3.0~3.3の範囲になるとみられる。
ARRWと同等の揚力比を持つ極超音速グライダーの試験は一度だけ行われており、失敗に終わった。2010年と2011年に行われた2回の飛行で、DARPAの極超音速テスト機(Hypersonic Test Vehicle:HTV)、HTV-2はブースターからの分離には成功したものの、2回とも制御不能に陥り、搭載する飛行中止システムが自爆信号を送った。
DARPAはHTV-2で、地球をカバーできる究極の極超音速兵器を実証しようとした。それに比べ、陸軍の軸対称型AHWは堅実な設計と言える。製造元であるサンディア国立研究所が2014年に分析したところによれば、AHWは最高速度マッハ8、射程3,500~5,000マイル、クロスレンジ能力(目標が横方向にずれている場合の射程)1,200~1,700マイルを目指した設計だった。一方、DARPAが設定したHTV-2の目標値は最高速マッハ20以上、射程10,000マイル、クロスレンジ能力3,300マイル、精度10フィート以下、というものだ。
これほどの速度になると、HTV-2は約1,900℃の火の玉の中で長時間滑空することになり、高価な材料を使用する必要がある。DARPAはHTV-2の寸法を明らかにしていないが、発射器の内寸による制約から、全長50~60インチを超えることはできない。
HTV-2の2度目の試験失敗から3年後、DARPAはHTV-2と同等の揚力比を持ちつつ、オールアップ弾とするためによりコンパクトな設計とし、全体的な性能も落とした滑空体の実証を行うTBGプログラムを始動した。2016年には、DARPAはTBGの初飛行を2019年までに実施する契約にロッキード社を選定した。同時に、当時の副長官であるSteven Walker氏を含むDARPA関係者は空軍に対し、TBGの初飛行までは、実戦配備向けの空中発射型ミサイルの開発を待つよう助言した。
空軍はWalker氏の忠告から7ヶ月後、それ以上は待てないとして、2017年5月にDisbrow長官がARRWの開発を承認することにつながった。
国防総省の研究開発部門で極超音速プログラムのディレクターを務めるMike White氏は「人々は空軍によるこの判断の重要性を低く見積もっている」と語る。
「極超音速兵器の開発陣にとって、我々は”研究開発”の領域から抜け出せずにいた」「空軍は2017年に『極超音速兵器が欲しい』と初めて発言した組織だ」とWhite氏は指摘した。
陸海軍はAHWを兵器化するのに時間を要したが、それほど後れを取ったわけではない。2017年11月のFlight Experiment-1(FE1)において、海軍はAHWを水上艦/潜水艦から発射可能にした改良型の飛行試験に成功した。陸海軍はAHWをLRHWおよびCPS向けに使用できるC-HGBに改装し、34.5インチの2段式ブースターを装備する。空軍の短命に終わったHCSWもC-HGBを用いる計画だったが、こちらは32インチの1段式ブースターを装備する予定だった。
「FE1を成功させたとき、関心は最高潮に達した」「そして、軍は実験的な極超音速技術の兵器転用への関心を高めていった」とWhite氏は語る。
ARRWおよびC-HGBフロントエンド開発のゴーサインが出たことに伴い、新型のブースターロケットファミリーの開発も始まった。実戦配備するためには、陸軍のAHWやDARPAのHTV-2が使用していた、ポラリスやピースキーパーといった弾道ミサイルの「お下がり」に依存することはできないからだ。ブースターの寸法や性能について多くは明らかになっていないが、White氏はC-HGB向けには直径34.5インチの2段式ブースターが用いられることを認めた。ARRW向けの1段式ロケットの直径は明らかにされていないが、より小さいことはたしかだ。
「技術者として考える時は、すぐに手に入る既存のブースターを選ぶことができる」「しかし、これが実戦配備される兵器となると発射装置とのインテグレーションが必要になる。発射装置の重量と容積の制約の中で、最大の性能を発揮させたいのだ」とWhite氏は話す。
航空機への搭載重量も重要な課題として浮上している。HCSWの計画中止はARRWの予算超過やHAWCの運用試作機開発のための資金を捻出したが、この決定は空軍がより大型の極超音速兵器からは距離を取る姿勢を反映している。
「HCSWは12,000ポンドあり、フロントエンドはその10%ほどだ」「ここから考えないといけないのは、『さて、B-52には何が搭載できるかな?』ということだ」とWhite氏は話す。
HCSWについて言えば、答えは「B-52では足りない」だ。しかし小型のARRWであれば、ロケットで加速される滑空体にHCSW同等の軌道の自由度を確保しつつ、空軍は発射母機の選択肢を増やすことができる。空軍は6発のAGM-183AをB-1B爆撃機に外部搭載する計画で、軍関係者としてはF-15EXのような戦闘機から発射できる程度のサイズに抑えたい考えだ。2月に、ボーイング社はF-15Eの兵器搭載量の限界についてのヒントを提供した。Air Warfare Symposiumで展示されたF-15EXの模型には、極超音速ミサイルのオールアップ弾を模した、長さ270インチ・重量7,300ポンドの弾体が機体中央の兵装ステーションに装備されていた。
模型、CG、模擬弾を搭載した飛行試験中の撮影した写真…といったものが、国防総省の空中発射型極超音速兵器の唯一の手がかりだ。3月にFlight Experiment-2が成功したことから、2023年の配備を目指している陸軍のLRHW、同じく2025年を目指している海軍のCPSの開発計画は、予定通り進捗している。空軍が飛行試験フェイズに入るのはその後で、遅延しているロケット推進のTBG、スクラムジェット推進のHAWCともに年内に飛行試験が計画されている。
ルイス氏は3月の記者会見で報道陣に対し「我々は本当にとても自信がある」「まだ開発中であるということは誤解しないで欲しいが、この技術が期待通りの性能を発揮することには大きな自身を持っている」と語った。
戦術ブーストグライド(TBG)/空中発射型即応兵器(ARRW)開発年表
現在開発中の最も先進的な空中発射型極超音速兵器は、DARPAのTBGと空軍のARRWが合同で研究しているシステムだ。
2014年3月:DARPAが戦術ブーストグライド(TBG)プログラムを始動
2014年9~11月:DARPAがTBGフェイズ1a契約をボーイング社・ロッキードマーチン社・レイセオン社と締結
2016年4~5月:DARPAがボーイング社をTBG計画から除外し、フェイズ1b契約をロッキード社およびレイセオン社と締結
2016年5月9日:DARPAはTBGフェイズ2契約においてロッキード社を選定し、レイセオン社を除外
2017年5月3日:米空軍、TBGから派生した空中発射型即応兵器(ARRW)の要求を承認
2018年8月13日:空軍がAGM-183A ARRW開発企業にロッキード社を選定
2019年3月:DARPA、2つ目のTBG技術実証機の開発企業としてレイセオン社を選定
2019年3月:空軍、ARRWの39%の予算超過に充当するため、極超音速通常攻撃兵器(HCSW)の計画を中止
2019年6月:空軍、ロッキード版TBG/ARRWオールアップ弾の第1回模擬弾搭載試験を実施
2020年:DARPA、TBGの第1回飛行試験を予定
2021年10月:空軍、全4回中1回目のAGM-183A ARRW飛行試験を実施予定
Timeline Source: Aviation Week Research
以上は、Steve Trimbleが Aviation Week & Space Technologyいた記事です。 Aviation Week & Space Technology は、豊富な経験と人脈を持った専門家により、最新トレンドや最適な状況判断、ポリシー・要求仕様・予算に関する充実した情報を継続的にお届けします。 Aviation Week & Space Technology をもっと知りたい場合、こちらをクリックして下さい。
By the stroke of a pen on May 3, 2017, Lisa Disbrow, then-acting Air Force secretary, ushered the U.S. military into the weaponization age of hypersonic flight by authorizing development of the Air-Launched Rapid Response Weapon (ARRW).
The keyword in that name is “weapon.”
In each of the previous seven decades, the Defense Department had tested hypersonic vehicles but only as X-planes and demonstrators. This time, it was different. After Russia and China had established a clear lead over the U.S. in a series of breakthrough flight tests staged between 2014 and 2016, the Air Force decided to start fielding a new set of maneuvering hypersonic weapons.
In 2020, the Pentagon’s portfolio of offensive hypersonic programs has metastasized with an annual budget averaging about $2 billion, which spans air-, land- and sea-launched missiles using two different forms of propulsion.
Not that everything has gone strictly according to plan.
In April, the Air Force canceled the second air-launched missile program, which was called the Hypersonic Conventional Strike Weapon (HCSW). Meanwhile, DARPA planned to fly the Tactical Boost Glide (TBG) demonstrator in 2019, but it still has not flown yet. TBG and ARRW share a common design, so the early operational capability (EOC) milestone for ARRW also is delayed by at least a year, to September 2022. The delays increased the costs for the ARRW program, which the Air Force partly offset by canceling HCSW.
The delays are also a result of a new strategy. The original plan focused on ushering operational prototypes through the flight-test phase as quickly as possible, allowing the services to declare an EOC with a handful of leftover spare missiles. A new strategy, adopted since 2019, accepts a lengthier schedule for the air-launched missile flight-test programs, such as ARRW, in exchange for design changes and supply chain decisions, thereby shortening the production cycle.
“I would say that some of the changes you are seeing are coming from the fact that we said, ‘We want both of these programs to roll into actual production systems,” says Mark Lewis, the Defense Department’s director of research and development for modernization. “So we’ve been thinking through what things we need to do with these DARPA programs to maximize the return on investment.”
Specifically, DARPA’s TBG program is the risk-reduction program for two different versions of ARRW. The first ARRW design scheduled to become operational is the Lockheed Martin AGM-183A. But Raytheon is developing a different design to meet the ARRW requirement, which the company says will be more advanced.
Likewise, DARPA selected Lockheed and Raytheon versions of a scramjet-powered cruise missile. Both versions of the Hypersonic Air-Breathing Weapon Concept (HAWC) also were expected to enter flight testing in 2019 but fell behind schedule. Most recently, the Lockheed version of HAWC was destroyed during a captive-carry flight test that is now under investigation.
“The question now across the board over all our hypersonic programs is, how do we maximize the utility of these [DARPA] programs so they give us the information we need?” Lewis asks. “Our goal is delivering hypersonics at scale, and that can change the nature of your program. If you’re doing an exploration program for exploration’s sake—and I’m not taking anything away from those programs at all—that’s somewhat different than if I’m doing a program that’s feeding data into a follow-on effort with specific goals and requirements.
“So we are looking at our programs and saying, if the data from program X leads to the follow-on program Y, then how do we make sure that all of the data we get out of program X is of value to program Y? And conversely, if it isn’t, then we need to rethink the investment. That’s the mindset we are applying across the portfolio,” Lewis says.
For ARRW, the impact of the philosophical shift has been dramatic. In March 2019, a set of “changing program circumstances” increased costs by 39% to $1.16 billion, the Government Accountability Office (GAO) reported in June 2020. The GAO did not elaborate, but the percentage increase implies an original budget of about $836.5 million.
The road to an EOC milestone by the end of fiscal 2022 now includes little margin for error. The Air Force originally called for Lockheed to achieve the EOC milestone in August 2021, or 36 months after the contract award. But the schedule delays have pushed the first of four planned flight tests of the Lockheed version of ARRW to October 2021, with the fourth sortie now scheduled for September, the last month of fiscal 2022.
Adding to the schedule pressure for ARRW is the sheer technological ambition of the program.
To be sure, each of the weapons in the Pentagon’s hypersonic weapons portfolio face challenges. The Common Hypersonic Glide Body (C-HGB) seeks to build a common airframe with intermediate range that can be launched from a submarine under the Navy’s Conventional Prompt Strike (CPS) program and a mobile ground launcher under the Army’s Long-Range Hypersonic Weapon (LRHW) program. The Air Force’s planned operational follow-on to DARPA’s HAWC program will attempt to transition scramjet propulsion from experimental to operational status.
The C-HGB and HAWC programs, however, are building on successful flight experiments. The Air Force successfully tested the scramjet-powered Boeing X-51A in 2013, flying for 210 sec. and achieving a top speed of Mach 5.1. The C-HGB is a derivative of the Army’s Advanced Hypersonic Weapon (AHW), which itself was based on the Sandia Winged Energetic Reentry Vehicle Experiment.
The latter completed three successful flights from 1979-83. The Army revived the project in 2006, leading to a successful test of the AHW in 2011 and a failed test in 2014 due to a booster malfunction. The Navy adapted the AHW for ship launching and staged another successful test in 2017. Three years later, this past March, the Block 0 version of the C-HGB completed another successful flight, allowing the Army and Navy to proceed with developing a Block 1 All-Up Round.
By contrast, TBG and ARRW have no experimental flight test record to build upon. Although these air-launched missiles share the rocket-boosted glider configuration of the C-HGB, there is a crucial difference. The C-HGB is based on a biconical, axisymmetric design, which rotates on its axis during flight to dissipate heat. The designs for TBG and ARRW are more advanced wedge-shape gliders. Whereas the C-HGB achieves a lift-to-drag ratio of about 2.4-2.6, TBG and ARRW are expected to fall into the 3.0-3.3 range.
The only recorded attempt to test a hypersonic glider with a lift-to-drag ratio as high as ARRW ended in failure. During two flights staged in 2010 and 2011, DARPA’s Hypersonic Test Vehicle (HTV)-2 successfully separated from the booster, but the onboard flight-termination system commanded both gliders to self-destruct after they lost control.
With HTV-2, DARPA sought to demonstrate a global hypersonic weapon with ultimate performance. By comparison, the Army’s axisymmetric AHW seems modest. The AHW was designed to demonstrate a maximum speed of Mach 8 and a range to target of 3,500-5,000 mi., including a cross-range capability of 1,200-1,700 mi., according to a 2014 analysis by Sandia National Laboratories, the manufacturer of the glide vehicle. DARPA set a goal for the HTV-2 to fly faster than Mach 20, with a range to target of 10,000 mi., a cross-range capability of 3,300 mi. and an accuracy of 10 ft. or less.
At those speeds, the HTV-2 would have glided for an extended period inside a ball of flame up to 3,500F, requiring the use of expensive materials. DARPA never released the dimensions for the HTV-2, but internal dimensions of the launcher’s payload assembly limit its length to no greater than 50-60 in.
Three years after the second failed HTV-2 test, DARPA launched the TBG program to demonstrate a glide vehicle with a similarly high lift-to-drag ratio but sought a more compact form factor for the all-up round with less overall performance. By 2016, DARPA selected Lockheed to demonstrate the first TBG flight by 2019. At the same time, DARPA officials, including then-Deputy Director Steven Walker, counseled the Air Force to wait until after the first flight of TBG before launching the development of an operational air-launched missile.
The Air Force decided seven months after Walker’s warning that it could not wait any longer, leading to Disbrow’s go-ahead decision for the ARRW in May 2017.
“I think people underestimate the importance of this decision of the Air Force,” says Mike White, director of hypersonic programs for the Pentagon’s research and engineering branch.
“For the hypersonic community, we’ve always been kind of stuck in the [research and development] realm,” White says. “The Air Force, in 2017, [was] the first service that said, ‘Hey, we want hypersonic weapons.’”
The Army and Navy took longer to decide to weaponize AHW but not by much. In November 2017, the Navy completed a successful flight test of an AHW modified to be launched from a submarine or ship in Flight Experiment-1. The Army and Navy agreed on a plan to convert AHW into the C-HGB for LRHW and CPS with a two-stage, 34.5-in. booster stack. The Air Force’s short-lived HCSW also planned to use the C-HGB but with a 32-in., single-stage booster.
“Once we flew the FE-1, the interest started to peak,” White says. “Then we got service interest in transitioning [experimental hypersonic technology into operational weapons].”
The green light to begin developing the ARRW and C-HGB front ends also launched the development of a family of new booster rockets. To field operational weapons, services could no longer rely on the hand-me-down booster rockets employed for the Army’s AHW and DARPA’s HTV-2, which used derivatives of a retired Polaris missile and a Peacekeeper missile, respectively. Less is known about the size and performance of the boosters, but White confirmed a 34.5-in.-dia., two-stage booster stack for the C-HGB. The diameter of the single-stage rocket for ARRW has not been released, but it is smaller.
“When you live in the technology world, you can kind of pick and choose boosters that are off the shelf,” White says. “But when it comes to fielding a real weapon, you have to integrate with launch platforms. You would like to maximize performance within the weight and volume constraints of the launch platform.”
The load-out volume for an aircraft has emerged as a key issue. The HCSW cancellation freed up funds to cover the fiscal overrun on ARRW and launch the development of an operational prototype of HAWC, but the decision also reflected a move by the Air Force away from larger hypersonic weapons.
“HCSW weighs 12,000 lb. and the front end is about 10% of that,” White says. “So you have to figure out, OK, what can I fit on a B-52?”
For HCSW, the answer was “not enough.” But the smaller ARRW offers more flexibility for the Air Force’s launch platforms while providing the similar trajectory options for a rocket-boosted glide vehicle. The Air Force plans to install six AGM-183As externally on each B-1B bomber, and service officials hope to keep it small enough to launch from a fighter, such as a Boeing F-15EX. In February, Boeing provided a clue about the limits of the F-15E’s weapons load-out. A model of the F-15EX displayed at the Air Warfare Symposium included a surrogate hypersonic all-up round on the centerline weapon station, with a length of 270 in. and a mass of 7,300 lb.
Models, renderings and rare glimpses of captive-carry tests remain the only sightings of the Pentagon’s air-launched hypersonic weapons portfolio. The successful Flight Experiment-2 staged in March shows the Army’s LRHW is on track to enter service as scheduled in 2023, followed by the Navy’s CPS in 2025. The Air Force’s turn to enter the flight-test phase is next, with the delayed rocket-boosted TBG and scramjet-powered HAWC launches still planned for this year.
“We’re really very confident,” Lewis told reporters during a March news conference. I don’t want to misrepresent the fact there’s still development underway. But we have tremendous confidence in the ability of this technology to perform as expected.”
Tactical Boost Glide/Air-Launched Rapid Response Weapon Timeline
The most advanced, air-launched hypersonic weapon in development currently is a joint effort between the DARPA’s Tactical Boost Glide (TBG) and the Air Force’s Air-Launched Rapid Response Weapon (ARRW).
March 2014: DARPA launches Tactical Boost Glide (TBG) program.
Sept.-Nov. 2014: DARPA awards TBG Phase 1a contracts to Boeing, Lockheed Martin and Raytheon.
April-May 2016: DARPA eliminates Boeing from TBG competition, awards Phase 1b contracts to Lockheed and Raytheon.
May 9, 2016: DARPA selects Lockheed for the TBG Phase 2 contract, eliminating Raytheon.
May 3, 2017: U.S. Air Force approves requirement for TBG-derived Air-Launched Rapid Response Weapon (ARRW).
Aug. 13, 2018: Air Force selects Lockheed to develop AGM-183A ARRW.
March 2019: DARPA selects Raytheon to develop second TBG demonstrator.
March 2019: Air Force cancels Hypersonic Conventional Strike Weapon, diverts funding to cover new, 39% ARRW cost overrun.
June 2019: Air Force performs first captive-carry test of Lockheed TBG/ARRW all-up round.
2020: DARPA plans first TBG flight test in 2020.
Oct. 2021: Air Force expects first of four flight tests of AGM-183A ARRW.
Timeline Source: Aviation Week Research