世界の航空会社の動向 2020年前半を総括 | 2020 World Airline Report Roundup
July 27, 2020
新型コロナウィルスのこれまでの影響を振り返る
Credit: Ipopba-Getty Images
2019年の世界の航空輸送業界には少し陰りが見えていた。その原因は燃料費および人件費の高騰、貿易環境の悪化、インフラの混乱などで、業界全体の利益は当初355億ドルとみられていたものが280億ドルと、2018年から20億ドル減という結果に終わった。
それでも業界として10年連続の黒字となり、多くのアナリストは2020年も引き続きこの傾向が続くと確信しており、航空会社が293億ドルの利益を計上すると予測していた。また、旅客数も4%増の47.2億人になるという予測だった。そして、2019年の結果から、業界が困難な貿易環境に置かれることがあっても、もはや資金難に陥ることはないという共通理解ができあがっていた。
そんな中、まさに新型コロナウィルスが航空会社の経済ルールブックを書き換え、飲み込んでしまった。
以上は、Karen WalkerがAir Transport Worldに書いた記事の簡略版です。 記事全文はこちら。
アジア太平洋地域
IATAは、コロナ危機によりアジア太平洋地域の航空会社が290億ドルの損失を計上すると予測しており、これは世界の各地域の中で最悪の損失額だ。同地域の旅客需要は前年比53.8%減、客席数は39.2%減と見込まれている。
リストに記載されている17カ国のほぼ全ての国において、旅客需要の減少幅は49~53%の範囲に収まっている。また、その減少幅は4月下旬のIATAの予測値から1~3ポイント悪化している。スリランカが60%減で最悪の値となっており、次が韓国の54%、53%のオーストラリア・日本・モルディブ・パキスタン・タイと続く。
以上は、Chen ChuanrenがAir Transport Worldに書いた記事の簡略版です。 記事全文はこちら。
北米
Credit: Christian Petersen/Getty Images
3月10日、アメリカン航空の会長兼CEO・Doug Parker氏は、金融アナリスト・投資家・ジャーナリストに対し、世界最大の航空会社である同社や、その他アメリカの航空会社がどのように新型コロナウィルスに対処するかを説明した。この時点では、北米はまだ新型コロナウィルスによる深刻な影響を受けていなかった。
JPモルガン社のインダストリアル・カンファレンスの場で「アメリカの航空会社はこの困難に対処できる」「我々は2021年にも充実した運航を予定しており、当社はこのような危機に対処する準備ができている」と自信満々に語っていた。
以上は、Aaron KarpがAir Transport Worldに書いた記事の簡略版です。 記事全文はこちら。
ヨーロッパ
Credit: joepriesaviation.net
2020年夏のヨーロッパ地域の状況は、このひとつの数字に象徴される。6月10日にノルウェーの地域航空会社・Widerøe社は250便を運航したが、これはこの日にヨーロッパで2番目に多くの便を飛ばした航空会社だ。
Jefferies Equity Research社の調査ノートでは、これを「新型コロナウィルスが投げかけた注目すべきデータ」としており、ビジネス客が戻らない限り、ヨーロッパの航空旅行市場は回復しないだろうと警告している。「今のところ、運航を再開した航空会社にはビジネス需要がほとんどみられない」と指摘している。
以上は、Victoria MooresがAir Transport Worldに書いた記事の簡略版です。 記事全文はこちら。
中東
Credit: KARIM SAHIB AFP via Getty Images
中東の主要な航空会社は、成長幅は小さくなるものの、コロナ危機の影響も少ないものになるだろう。
2019年末までに、同地域の主要3社:エミレーツ航空・エティハド航空・カタール航空は、それぞれ異なる財務状況に転じた。エティハド航空は一時、ハブ・アンド・スポーク路線の巨人だったが、よりポイント・トゥ・ポイント路線に注力するようになり、財務状況を改善させた。しかしそれは、前年の12.8億ドルの赤字を8.7億ドルの赤字に縮小させた程度に留まる。
以上は、Alan DronがAir Transport Worldに書いた記事の簡略版です。 記事全文はこちら。
中南米
Credit: Marcelo Hernandez/Getty Images
中南米における航空会社の経営には、常に困難が付きまとってきた。高い税金や費用、厳しい法規制、インフラの不備などが、各国で発生する政治的・経済的な激動とともに、この地域の常識になっているからだ。
それにも関わらず、この地域でも航空分野の成功例がある。それは統合によって生まれたフラッグシップキャリア(特にLATAM社)で、欧米の航空会社(LATAM社は資金力のあるデルタ航空)と提携することで、LCCやULCC(超低価格航空会社)が数多く生まれ、以前はバス会社が独占していたマーケットへの進出を遂げた。パナマを拠点とするコパ航空は、航空事業に協力的な政府の支援を受けた中南米の航空会社が、どのように発展するかを示す基準となる存在として、長い間注目されてきた。
しかし、コロナ危機の影響により、その全てが崩壊してしまった。
以上は、Karen WalkerがAir Transport Worldに書いた記事の簡略版です。 記事全文はこちら。
アフリカ
Credit: GUILLEM SARTORIOAFP via Getty Images
アフリカの航空交通量は2020年に58.5%減少する見込みで、これは世界で最も大きい減少幅だ。このことは、すでに苦戦を強いられている現地の航空事業にさらなる打撃を与えている。
IATAの試算によると、アフリカの航空会社は前年比60億ドルの減収により、20億ドルの純損失を計上することになる。さらに、アフリカ航空会社協会(AFRAA)の減収予想は81億ドルと、さらに厳しい。
IATAは6月に「この地域におけるウィルスの感染動向はまだ完全には見えていない。それにも関わらず、国境閉鎖により全てのフライトが止められている」と述べている。
以上は、Victoria MooresがAir Transport Worldに書いた記事の簡略版です。 記事全文はこちら。